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しまなみ海道 ②生口島~伯方島

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亀の首地蔵の伝説

昔、生口島の室浜に大勢の子分を引き連れた亀の主が住んでいました。亀達は船を沈め宝物を奪い人間を食べて暮らしていたので、皆恐れをなして船は生口島に近寄らなくなってしまいました。とうとう食べるのに困った亀の主は「いけにえを出せ」と島の人々を困ら...

せましたが、向上寺の小坊主の調明(ちょうめい)が「任せなさい」と、引き留める人々をしり目に亀の主のもとへ向かいました。久しぶりの獲物に亀の主は喜びましたが、調明は「私は仏に伝える身だから向上寺で死にたい」と言うと、亀の主はしかたなく承諾して寺までついて行きました。陸の坂を登って寺まで行くのは亀の主にとって大変なことで、寺に着いた頃には息も絶え絶えの有様でした。その時を見計らい調明は隠し持った刀で「エイッ」と亀の主の首を切ると、首は空高く飛び上がり、海に落ちて大きな岩になり、以来、生口島は平和な島に戻ったと言い伝えられています。

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