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山陰 ⑤出雲大社Ⅱ

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宇豆柱の出土地点を示す柱根の印

御本殿前の足元に目を向けてみてください。石畳に描かれているのは、かつての出雲大社の御本殿の宇豆柱が出土した場所となります。 平成12年から13年にかけて、出雲大社境内遺跡から、直径が1・4mほどのスギの大木3本を1組にし、直径が約3mにも...

なる巨大な柱が3ヶ所で発見されました。これは、そのうちの棟をささえる柱、すなわち棟持柱(むなもちばしら)で、古くから宇豆柱(うづばしら)と呼ばれてきたものです。 発掘で見つかった直径が最大で約6mもある柱穴には、人の頭の大きさかそれ以上の大きな石がぎっしりと積み込まれ、世界に例のない掘立柱の地下構造も明らかになりました。これらは、境内地下を流れる豊富な地下水のおかげで、奇跡的に当時の姿をとどめていたと考えられています。また、『古事記』にも、出雲大社の成り立ちとして巨大神殿の逸話が残っています。 発掘された柱の配置や構造は、出雲大社宮司の千家国造家(こくぞうけ)に伝わる、いにしえの巨大な本殿の設計図とされる「金輪御造営差図」(かなわのごぞうえいさしず)に描かれたものと類似しており、柱材の科学分析調査や、考古資料・絵画、文献記録などの調査などから、この柱は、鎌倉時代前半の宝治2年(1248年)に造営された本殿を支えていた柱である可能性が極めて高いことが分かっています。出土した『宇豆柱』は境内内の神祜殿 (宝物殿)、御本殿から徒歩10分ほどにある、島根県立古代出雲歴史博物館に展示されています。

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