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福山 ③沼隈町周辺・平家の里

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一乗山城と常國寺

中世の豪族、渡辺氏の居城であった 『一乗山城』 は、当時沼隈半島一帯を領有していた渡辺越中守兼によって築かれたとされる山城で、入城したのは文明年間(1469年~1486年)と言われています。この頃、渡辺氏は日蓮宗に帰依し、城郭内に法華の守護...

神である七面大明神を祀ると共に、日親上人開山の 『常國寺』 を建立し菩提寺としました。一乗山城を拠点とし、毛利氏の旗下にあって活躍したことで、京を追われた室町幕府最後の将軍、足利義昭が毛利氏を頼って鞆へ来住した時は、その警護と接待役をつとめていたこともあり、鞆幕府の所在地となったのがこの一乗山城であり、渡辺氏の菩提寺であった常國寺も幕府の重要な政務機関となっていました。しかし、慶長5年(1600年)に関ヶ原の戦に敗れ、五代(兼・房・高・元・景)に渡って続いた渡辺氏も一乗山城を退き、廃城となりましたが、その後の昭和三十九年(1964年)に廃城跡に残された「史跡、郭・石垣・堀切・井戸」などの保存状態が良かったことで福山市史跡に指定されています。 一方、『常國寺』は天正10年(1582年)頃に将軍義昭が滞在していたと伝えられており、寺宝として日親上人や足利義昭関係の遺品(常国寺文書)をはじめ、江戸時代中期の建造物(唐門・鐘楼・番神社本殿)などの市重要文化財、渡辺氏の墓所や、足利義昭公を供養するための宝篋印塔など多くの文化財が所在している他、境内のケヤキとモッコクも市天然記念物に指定されています。

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